日本のインフレは1月も加速して前年比+4.3%、日銀は金利を上げざるを得ない
2023年2月24日に、最新の日本全国消費者物価指数(CPI)が発表されました。
- 全体:
前年比+4.3%(予想+4.3%、前回+4.0%) - 生鮮食品除くコア:
前年比+4.2%(予想+4.2%、前回+4.0%)
インフレ率は前回の+4.0%からさらに加速して、前年比で+4.3%となりました。
日本のインフレ率は、前年比+4.3%で加速中
改めてになりますが、日本のインフレ率は予想通りの前年比+4.3%となりました。これは前回の+4.0%から0.3ポイントの上昇で、インフレが加速していることを示しました。
以前、以下の記事に書いた通り、昨年の円安トレンドの反転に伴って、輸入物価の上昇は収まり始めていますから、長期では日本のインフレも終わりが見えてきています。
しかし、輸入物価の上昇に敏感に反応する企業物価指数(PPI)は前年比+9%超えといった水準であり、政府は価格転嫁を進めさせることを政策として推進していることを考えると、前年比+4.3%という水準のCPIには、まだまだ上昇余地があるでしょう。
これはあくまでも直感的なイメージですが、米国のインフレは前年比+5%程度まで収まってくる一方で、日本のインフレは前年比+5%程度まで加速していくことで、全体としてバランスが取れるのではないでしょうか。
日銀新総裁の植田教授は金利を上げざるを得ない
さて、昨日は日銀新総裁候補の植田教授が金融緩和を続ける方針を示したことから、長期金利の低下期待を受けて、銀行株は下落、日本株全般は上昇した1日でした。
日経新聞は、以下のように報じています。
次期日銀総裁候補の植田和男氏が24日、衆院で所信聴取と質疑に臨んだ。植田氏は「日銀が行っている金融政策は適切」とし、現状の金融緩和を続ける方針を示した。
しかし、過去に何度も書いている通り、日銀の政策というのは、あくまでも物価を安定的に維持するために行われるものですから、全てはインフレ率次第です。短期のトレーダー以外は、総裁の一言一句に反応して一喜一憂しても不毛でしょう。
- 植田和男教授による日銀新体制は金融政策の正常化を進める
- 日本のインフレ加速を示した12月消費者物価指数(CPI)と金融緩和を続ける日銀
- 日銀政策決定会合は長期金利を0.5%に維持も、金融政策はインフレ率次第
奇しくも同日に発表された消費者物価指数は日本のインフレ加速を示したのですから、素直にデータを読めば、金融政策の先行きは見通せると思います。
結論
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