S&Pケースシラー住宅価格指数は前年比+4.65%でインフレ減速
2月28日にS&Pケースシラー住宅価格指数が発表されました。結果は、前年比+4.65%で、予想の+4.75%を下回りました。また、前回の+6.77%からは2.12ポイントの低下となり、インフレ減速を示唆しました。
ケースシラー住宅価格指数はインフレ減速を示唆
ケースシラー住宅価格指数は、前年比+4.65%でした。予想の+4.75%を下回っており、住宅価格のインフレは順調に減速していることが改めて確認できました。
前回の+6.77%からは2ポイント以上も減速しており、もしもこのペースが続けば、3ヶ月後には前年比+0%といった水準になる可能性もあります。
サマーズ氏のいうとおり、インフレ率は高いほど減速しやすく、4%あたりから減速が難しくなりがちですが、昨年2022年の5月頃までは住宅価格が前年比+20%台でインフレしていたことを考えると、少なくとも5月頃まではケースシラー住宅価格指数の前年比も低下しやすい環境が続くでしょう。
家賃インフレが減速に転じるのは5月以降か
住宅価格のインフレが落ち着いている一方で、インフレ率が加速しているのが家賃です。以下は、CPIのうち家賃のグラフですが、最新の2023年1月分のCPIでも家賃の上昇率は加速していました。
しかし、住宅価格のインフレが収まるのであれば、家賃だけがいつまでもインフレ加速するのは不自然です。そこで、ケースシラー住宅指数と家賃のインフレ率を並べてみると、家賃は住宅価格におよそ1年遅れて上昇を始めたことが分かります。
家賃は基本的に契約更新時まで変更されないため、住宅価格に比べると、遅れて動く性質があるといえます。家賃が2020年の6月には上昇を始めたのと比べると、家賃が上昇を始めたのは2021年6月頃からで、ちょうど1年ほど遅れています。
そうすると、住宅価格のインフレが減速をはじめたのは2022年の5月頃からですから、1年遅れだとすると、家賃のインフレ率が減速を始めるのは2023年の5月頃からになると思います。
ガンドラック氏は、5月〜6月頃まではインフレ率が順調に減速していくと予想していましたが、5月〜6月頃は家賃インフレの減速なども含めて、インフレの減速が強く意識される季節となるかもしれません。
その後は、家賃インフレは下がるであろうものの、住宅価格指数などは徐々に前年比較の有利がなくなってくるため、インフレ率は下げ渋りを見せるようになる可能性があります。
結論
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