新興国とフロンティア国に投資する4つのETF
以前のニュースレターで、2月はインフレ警戒から米国金利が上昇してドル高となりましたが、このインフレ警戒トレンドは3月〜5月にかけて反転し、金利低下・ドル安になるだろうと予想しました。
そのため、3月〜5月はリスクオンで臨もうと思っていますが、特に投資妙味があるトレードとして、新興国やフロンティア国の株式をロングするというアイデアを紹介しました。
インフレ警戒懸念が後退して金利が低下するのであれば、株にはポジティブな影響が働きますし、米国金利低下によるドル安も新興国やフロンティア国にとってはポジティブです。
そこで、今回は新興国やフロンティア国に投資するにあたって、具体的にどのようなETFがあるのかを4つ紹介したいと思います。
新興国に投資するETF3選
$EEM(iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF)
新興国に投資するETFとしては、MSCIエマージング・マーケット指数をトラックする、ブラックロック社の$EEMがあります。経費率は0.69%で、残高は$25Bの人気ETFです。
国別の上位エクスポージャーは以下のようになっています。
- 中国:32.86%
- 台湾:14.88%
- インド:13.14%
- 韓国:11.64%
- ブラジル:4.88%
- サウジアラビア:3.78%
- 南アフリカ:3.46%
- メキシコ:2.69%
- タイ:2.07%
- インドネシア:1.84%
中国、台湾、韓国で約60%を占めていますから、東アジアのウェイトがかなり高いことが分かります。
業種でみると、金融とITが20%程度、一般消費財・サービスと通信が10%程度、素材や生活必需品などが続きます。上位が金融やITであることを考えると、どちらかというとデフレ局面、金利低下が意識される局面に強いといえるでしょう。
$EDC(Direxion Daily MSCI Emerging Markets Bull 3x Shs)
EDCは、DerexionブランドのレバレッジETFで、$EEMと同じくMSCIエマージング・マーケット指数をベンチマークとしていますが、3倍のレバレッジが掛かっています。
経費率は1.28%ですが、3倍のレバレッジETFですから、等倍ベースだと0.42%程度に換算することができ、コストは低いといえます。レバレッジETFであるため、資金効率を重視したいときに活用するのが望ましいです。
国別や業種別のエクスポージャーは$EEMと同じです。
$INDA(iシェアーズ MSCIインドETF)
MSCIエマージング・マーケット指数はエクスポージャーが東アジアに偏っているため、中国などの影響を少なくしたい場合は、インドに投資することが考えられます。
$INDAはブラックロック社のETFで、経費率は0.65%、残高は$65M程度となっています。
インドは、期待値が高いため、株式がPER21.7倍、PBR3.3倍と既にやや割高であるというデメリットがあります。しかし、中国の人口を直近抜いており、今後高い確率で世界の中心国のひとつとなっていくでしょう。
フロンティア国に投資するETF
$FM
$FMは、MSCI フロンティア・アンド・セレクト・エマージング・マーケット指数をベンチマークとするブラックロック社のETFです。経費率は0.8%で、残高は約$681Mです。
フロンティア国というのは、新興国(エマージングマーケット)よりもさらに身発展で、今後の発展余地がある国を指します。
新興国といっても、中国は今やアメリカと覇権を争う大国ですし、韓国や台湾は一人当たりGDPで日本を抜いています。新興国という括りからは、昔のような「これから発展する国」という意味合いは失われています。
その点、フロンティア国には、まさにこれから発展する国がたくさんあります。$FMの国別上位エクスポージャーは以下の通りです。
- ベトナム:29.84%
- ルーマニア:8.04%
- カザフスタン:7.79%
- フィリピン:6.71%
- モロッコ:6.54%
- ペルー:5.32%
- コロンビア:5.31%
- エジプト:4.62%
- オマーン:4.27%
- ナイジェリア:4.20%
ベトナムは2020年以降は少し落ち込んでいますが、それ以前はGDP成長率が6%〜7%で推移していました。ルーマニアは概ね5%〜10%、カザフスタンは4%前後、フィリピンも5%〜7%程度と、GDP成長率は高めです。
そのため、新興国のめざましい発展からリターンを得るという意味合いで投資する場合、$FMをロングするのが望ましいでしょう。
結論
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