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黒田総裁最後の金融政策決定会合は緩和も利上げもなし

先週金曜日は本当にイベントが盛りだくさんでした。

シリコンバレー銀行の破綻や米国雇用統計もありましたが、黒田総裁の最後となる金融政策決定会合も行われました。さらにいえば、国内企業物価指数もありましたが、こちらはまた後日タイミングがあれば触れたいと思います。

日銀政策金利は変更なし


さて、黒田総裁の最後となる金融政策決定会合であり、サプライズが何かあるかという見方もありましたが、日銀の政策金利には変更なし、つまり-0.1%を維持という結果となりました。

昨年12月からの国内銀行株の大相場の発端となったイールドカーブ・コントロールにも特に変更はありませんでした。

植田新総裁の元で金融政策の正常化は行われるか


さて、4月からは植田教授が日銀総裁となり、植田新総裁が誕生します。

植田新総裁の元で、日銀の金融政策が改められるかどうかに注目が集まっています。本ニュースレターのスタンスは、以前から「金融政策は誰が総裁であろうが、インフレ率次第である」というものであり、日本の物価がインフレしていることを理由として、日銀は金融政策の正常化(≒ 利上げ)に取り組まざるを得ないという考え方をお伝えしてきました。

しかし、その後、少し状況は変わっています。3月3日に発表された2月の東京都物価指数では、エネルギーのデフレを受けて、インフレ率がコアコア以外では減速に転じました。

また、アメリカではシリコンバレー銀行の破綻などを受けて長期金利が下がっています。これによってドル安が進むと、日本のインフレはさらに減速しやすくなるでしょう。

そうすると、賃金インフレ等はまだまだこれからであると予想されるものの、そこまで急いで金融正常化をする必要も薄れてきたようにも見えます。いずれにせよ全ては物価次第ですから、日本のインフレ指標を丁寧に見ていくことが重要です。

いずれにせよ日本株の行方を占うのは難しい


さて、もしも金融正常化や利上げが行われないのであれば、日本株にはポジティブかというと、そこは判断が難しいところです。なぜなら、利上げを行わなくて良くなるとしたら、それはインフレが自然と収まるということであり、それは円高や景気のクールダウンを意味するからです。

また、国内銀行株を見ても、アメリカのシリコンバレー銀行の破綻の後となっては、利上げが行われるならポジティブ・行われないならネガティブという単純なものではなくなりつつあります。

植田新総裁の方針がどうなるかを占うのも、その結果として、日本株の株価がどうなるかを占うのも、いずれも難易度が高いといえます。個人的には、不透明性の高いところで、敢えてポジションを取る必要性は薄いと思います。

本ニュースレターでは、昨年12月から保有してきた国内銀行株のポジションについて、以下の二つのニュースレターで解消することをお伝えしていましたが、すでに売却済みとなっています。

結論


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