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ケースシラー価格指数:2023年1月の住宅はデフレが継続、来年は前年比もマイナスへ

先週3月28日にケースシラー住宅価格指数が発表されています。

インフレの一角を占めて昨年は随分と話題になっていた住宅価格ですが、現状はすでに下落トレンドにあり、来年には前年比もマイナスになることが予想されます。

S&Pケースシラー住宅価格はすでに下落中


S&Pケースシラー住宅価格指数が下落に転じていることは、以前のニュースレターでもお伝えしている通りです。先週3月28日に発表された最新(2023年1月)の数値でも住宅価格がすでにデフレに入っていることが改めて確認されました。

S&Pケースシラー住宅価格指数(2023年1月分まで)/ FRED

S&Pケースシラー住宅価格指数の中でも一般的に確認される主要20都市の数値を前年比で見てみると、まだプラスを維持しているものの前年比で+2.54%となっており、前年比が急減速していることが分かります。

S&Pケースシラー住宅価格の前年比(2023年1月分まで)/ FRED

今のペースで住宅価格が下落していった場合、来年には前年比もマイナスに転じている可能性が十分にあります。

ケースシラー住宅価格が前年比マイナスになるのは2012年以来


もしもケースシラー住宅価格が前年比でマイナスになった場合、2012年5月以来のことになります。

S&Pケースシラー住宅価格の前年比(長期推移)/ FRED

2008年〜2012年というとリーマンショック後の低迷期ですから、そうした時期が想起されるような数値というのは強いデフレであり、もはやインフレとの戦いの第一波は終わったと言っても過言ではないでしょう。

さらに、住宅大手レナー社CEOのスチュアート氏や債券王のガンドラック氏が言うように、銀行の貸し渋りが始まるのはこれからであり、まだその影響は2023年1月分のケースシラー価格には含まれていません。

そう考えると、長期金利が4%を超えるような水準まで上昇する局面は当面心配しなくても良いと思います。

米国10年国債金利(2023年3月31日時点)/ Investing.com

景気後退はインフレ第二波を招く


さて、レイ・ダリオ氏やガンドラック氏のようなマクロ投資家が繰り返し指摘しているのは、景気後退がFEDの金融緩和再開を招き、インフレ第二波を引き起こすということです。

以前のニュースレターでもお伝えしたように、FEDは銀行向けに流動性を提供するプログラムを開始しており、利上げは続けているものの、見方によっては、すでに量的緩和を再開しています。

FEDのバランスシート以上に重要なのはマネーサプライ(M2)です。こちらはまだ2月分までの数値しか見ることができません。2月までは順調に下がっていますが、3月以降にこれが下がり続けるのか、どこかで上昇に転じるのかを注視していく必要があるでしょう。

マネーサプライM2(2023年2月分まで)/ FRED

結論:目先はデフレからリターンを得る


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