米国5月のPCEデフレーターは、前年比+3%台に減速
FEDが重視しているインフレ指標として知られるPCEデフレーターの前年比は+3.8%で、3%台まで減速しました。
依然として、FEDの目標インフレ率である2%を大きく上回る状態で、高金利も維持されると思いますし、住宅価格の推移などを見ていると、インフレ第二波への警戒も必要です。一方で、インフレとの戦いが地道ながらも進捗していることも確かだと思います。
PCEデフレーターは前年比+3%台に減速
個人消費ベースのインフレ率であるPCEデフレーターは前年比+3.8%で、3%台に減速しました。
PCEは、FEDが金融政策を決めるにあたって重要視しているインフレ指標です。
一般的にインフレ率というと、CPI(消費者物価指数)の前年比を見ることが多いですが、CPIベースのインフレ率が世の中で売られている商品のインフレ率なのに対して、PCE(個人消費支出)は実際に消費者が買った商品のインフレ率です。
つまり、CPIは値上げされたけれど売れていない商品も含むのに対して、PCEは実際に消費者が買った商品の値上がりのみを考慮しているということです。
いずれもインフレ率のチャートの形状は似ており、前年比が+4%前後まで減速してきたという点でも一致しています。
前年比+3.8%はまだ高水準
PCEを重視しているFEDにとって、PCEが順調に下がったことは安心材料になったと思います。一方で、FEDのインフレ率目標は2%ですから、前年比+3.8%というPCEのインフレ率はまだ目標まで少し距離があります。住宅価格なども粘り強いインフレを見せています。
そのため、まだFEDは高金利の手綱を緩められる段階ではないと思います。実際、米国10年国債の金利などは、あまり大きく動いていません。
FEDが金融政策の転換を判断するには、まだもういくつかイベントが必要でしょう。例えば、株式市場の急落や失業率の上昇などです。
結論:米国債メインの投資を継続
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