ナスダックCEO:IPOマーケットに青信号が灯った
アメリカでは決算シーズンが続いています。今回発表されたナスダックの決算は、EPS・売上ともに予想を上回る好決算でした。また、アデナ・フリードマンCEOは、株式市場の将来について明るい見通しを示しました。
ナスダックの決算(2023年Q2)
ナスダックの第2四半期決算は、以下の通りでした。
- EPS:$0.71(予想+$0.05、前年同期:$0.69)
- 売上:$925M(予想+$8.68M、YoY:+3.58%)
収益の内訳をみると、市場プラットフォームの収益が$397M、資本アクセスプラットフォームの収益が$438M、金融犯罪対策ソフトウェアの収益が$89Mでした。
また、第2四半期にナスダックは、金融ソフトウェア企業のアデンザ(Adenza)を105億ドルで買収しました。Adenzaは、銀行や証券などの金融機関が必要とする「リスク管理」や「規制対応」のためのソフトウェアを提供しています。
ナスダックCEO「IPO市場に青信号が灯った」
さて、ナスダックは株式取引所であるため、株式市場の動向を理解するのにも役に立ちます。
今回、CNBCの番組に出演したアデナ・フリードマンCEOは、以下のように述べて、IPOの窓が再び開き始めたことを指摘しました。
いま私たちは、IPO市場に青信号が灯ったのが見えはじめた。投資家たちは、リスク資本を株式市場に戻して働かせるべきだと気付き始めた。新しい上場を引き受けられると示しはじめた。
以下のグラフを見ていただくと、新型コロナ禍で積極的な金融緩和が行われていた2020年〜2021年にかけては、IPOが盛んに行われていたものの、利上げが始まった2022年以降はIPO市場が停止してしまっていたことが分かります。
株式を上場しても、それを買ってくれる投資家がいなければ意味がありません。年初来ナスダック指数が急騰しているように、投資家が再び株式投資にお金を戻しはじめたため、再びIPOが可能になってきたということです。
とても興味深くてわくわくする会社の上場が秋にはあるだろう。しかし、来年の第1四半期にはもっとたくさんのアクティビティが見られるようになるだろう。
また、ベンチャーキャピタルなどのスタートアップの投資家は、投資先がIPOなどをすることによって、株式を売却して投資資金を回収します。そのため、IPOの窓が閉じているうちは新規投資が控えられていましたが、こちらもIPO市場が動き始めれば、また新規投資を再開するでしょう。
全体として、アメリカのテック企業は、利上げを乗り越えて、これから正常な経済状態に戻っていくことが期待できそうです。
結論:投資家の動向にも要注目
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