米国金利の天井は近づいている:FEDはあと2回、市場はあと1回の利上げを予想
5月頃からは、インフレの再燃と金利上昇を懸念して、ポートフォリオを小さめにし、慎重な投資姿勢を貫いてきました。そのため、ハイテク株を中心とした大相場に乗り損ねた側面もあります。
しかし、米国金利が天井をつければ、債券を中心に投資をしやすい環境が整ってきます。FEDはあと2回、市場参加者はあと1回を予想していますが、いずれにせよ米国金利の天井は近いことが分かります。
今回は、このあたりを確認したいと思います。
米国金利が天井をつけると投資しやすくなる
現在、大きくポジションを取れない最大の理由は、米国金利がいつ天井をつけるかが分からないからです。
米国金利が天井をつけたことが分かれば、株式と債券を組み合わせることで景気後退リスクをヘッジしつつリターンを追求できますし、ドル安を見込んだゴールドや新興国への投資もできます。
つまり、米国金利さえ天井をつけてしまえば、景気後退リスクが残っていたとしても、投資は非常にやりやすくなるわけです。
では、米国金利がいつ天井をつけるかというと、その見通しはFEDと市場で割れており、FEDはあと2回の利上げを予想しているのに対して、市場はあと1回の利上げを予想しています。
FEDはあと2回の利上げを予想している
FEDは、FOMCごとに各メンバーが予想した将来の金利をドットプロットとして公開しています。
グラフをみると、2023年末には5.50%〜5.75%の政策金利を予想するメンバーが最多であることが分かります。これは今の5.00%〜5.25%から、あと2回の利上げがあることを示唆しています。
一方、2024年末には4.25%〜4.50%まで下がることが見込まれているわけですから、来年は政策金利が1.25%下がる、つまり5回の利下げがあることを示しています。
市場はあと1回の利上げを予想している
一方で、市場は5.25%〜5.50%の予想が2024年1月まで最多なので、あと1回の利上げを予想しています。
また、来年末には4.00%〜4.25%が予想されています。つまり、今年、来年ともにFEDの予想よりも0.25%ほど低い金利を予想していることになります。
識者の中には、債券王ガンドラック氏のように、これ以上の利上げはないと考える人物もいます。
これまでのところ、今年の金融政策については債券市場よりもFEDが描いた絵の方が近く、あと2回の利上げを意識しておいて良いのではないかと思います。
結論:利上げの終わりは近づいている
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