米国マクロ経済

米国のマクロ経済環境に関するニュースレターのバックナンバー一覧です。
2月
27

米国長期金利は4%近い水準、米国債の買い増しを開始

直近のインフレ長期化の懸念を受けて、米国長期金利は3.947%と4%に近い水準となっています。これは昨年の11月近い水準であり、投資妙味があると考えたため、少しずつ米国債の買い増しを開始しました。 毎朝メールで受け取る インフレ長期化懸念から、米国長期金利は4%近い水準に 直近、米国経済が強いことを示す雇用統計などの経済指標が相次いでいることを受けて、インフレが長期化するという懸念が高まっています。インフレが長期化するのであれば、FRBの金融引き締めも長引くため、金利が上昇して、株価や債券価格は下落に見舞われています。 この辺りについては、
5 min read
2月
23

クレジットカードの延滞率は上昇を続けている

最近は、雇用統計等の強さを背景として、インフレは収まらないのではないかという「ノーランディング」論が台頭しています。 しかし、個人的には、まだ景気後退の可能性を意識した投資をすべきだと考えています。その背景の一例として、クレジットカードの延滞率や貸出審査基準の引き締め率などを見ていきたいと思います。 毎朝メールで受け取る 台頭しはじめた「ノーランディング」論 現在、アメリカでは「景気後退」論が息を潜めたと思えば、「ソフトランディング」を通り越して、
3 min read
2月
22

株式ポジションは小さめに、休むも相場

先日、いくらか株式のショートポジションを立てて、ロングポジションをヘッジしていることを書きました。 * 景気後退が今年の後半以降であれば、インフレ対策で株式ショート取引が必要か * 目先はインフレの長期化を意識した金利上昇リスク、長期では景気後退リスクに備える 現在、株式ポジションはネットで6%程度にまで下がっています。今後とも金利や株価の行方は先行きが不透明であるため、引き続き、米国株のポジションについては大きくいじることはないと思います。 毎朝メールで受け取る 今後の金利や株価の行方は不明 何度も書いているように、年初から下がってきた金利は、インフレ率の下げ渋りと連動して、下げ渋りをみせています。 今後の金利が上か下かが分かれば、
2 min read
2月
21

サマーズ氏:現在の水準からのインフレ減速は困難

直近、雇用統計以降、インフレ自体は減速しているものの、予想を上回る数値が出てきて、インフレの下げ渋りが意識される展開が続いています。 * アメリカの消費者物価指数は1月も順調に低下したが、今後に注目 * 2023年2月発表の米国雇用統計は予想を大幅に上回るも、賃金インフレは低下中 サマーズ氏も、ブルームバーグの番組出演の中で、ここからのインフレ減速の困難を予想しました。市場環境についても悲観的な見方を示して、「夢を見るような状況ではない」とブル派を一刀両断しました。 毎朝メールで受け取る ここからのインフレ減速は困難が増す アメリカでは2月12日に国民的イベントのスーパーボウルが開催されていたため、サマーズ氏はアメフトに喩えて、現在の状況を以下のように説明していました。
5 min read
2月
20

下げ渋りをみせた米国PPIと3.9%に達した米国長期金利

2月16日に発表された米国の生産者物価指数(PPI)は、前年比+6.0%で、予想の+5.4%を0.6ポイントも上回りました。前月のPPIが+6.2%であったため、かろうじてインフレ率は低下していますが、予想よりも下げ渋りをみせました。 インフレの長期化が意識される結果となった米国PPIを受けて、米国長期金利は3.
4 min read
2月
16

アメリカの消費者物価指数は1月も順調に低下したが、今後に注目

米国消費者物価指数(CPI)が発表されました。 内容は、予想の前年比+6.2%に対して+6.4%と強く出ましたが、前月の+6.5%からは順調に低下しました。米国のインフレが順調に減速を続けるのか、下げ渋りや再加速が始まるのかについては、次回以降を見ていくことになります。 米国長期金利は3.7%
4 min read
2月
13

目先はインフレの長期化を意識した金利上昇リスク、長期では景気後退リスクに備える

最近は、米国の経済状況の展開が目まぐるしいため、本ニュースレターにおいても、言っていることが変わったり、一貫性に欠けてしまっている部分もあるかと思います。 これは実際に経済環境の移り変わりがあることなので、仕方のないことでもありますが、やはり少し遠くを見て、しっかりとした考えを持ってトレードをするのが理想です。 そこで、今回は、直近の経済状況や市場の反応を振り返りつつ、今後のシナリオを改めて整理しておきたいと思います。 毎朝メールで受け取る 昨年後半から低下を続けた米国インフレ率 まず、こちらは何度も書いていますが、昨年の7月をピークに米国のインフレ率は低下を続けています。 こうしたインフレ率の低下を折り込むかたちで、米国債の金利が低下してきたのが、
8 min read
2月
09

レイ・ダリオ氏:現金はゴミではなくなった

有名ヘッジファンドのブリッジ・ウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は、2月2日にCNBCのインタビューに答えて、「現金はゴミではなくなった」との見解を示しました。 レイ・ダリオ氏は、新型コロナ禍以降「現金はゴミだ(Cash is trash)」と述べてきましたが、FEDが昨年大胆な利上げを行い、実質金利がプラスに転じたことを受けての意見変更です。 毎朝メールで受け取る 「現金はゴミ」の真意
5 min read
2月
08

ガンドラック氏:FEDの予想する失業率4.6%は、確実に景気後退を保証してしまう

債券王として知られるガンドラック氏は、年初のラウンドテーブルにおいて、FEDが予想する2023年末の失業率4.6%は12ヶ月移動平均を大幅に超えており、景気後退入りを確実にすると述べました。景気後退によって金利が下がればインフレ率は下げ止まり、金融緩和が再開されればインフレの第二波が予想されます。一方、FEDが徹底的にインフレを抑え込む場合、景気後退は激しいものとなるでしょう。 毎朝メールで受け取る 失業率が12ヶ月移動平均を超えると、景気後退は確実に保証される 1月6日に公開された12月雇用統計では、失業率が3.5%でした。 1月に入って公開されている足元の雇用統計や実質GDPの数字は、2022年第4四半期(
4 min read
2月
07

景気後退が今年の後半以降であれば、インフレ対策で株式ショート取引が必要か

直近、アメリカのインフレ率は低下しています。特に、エネルギーや住宅価格などの「物の値段」が下落を続けています。一方で、雇用市場は非常に強く、人件費が主なコストとなる「サービスの値段」は上昇を続けています。 今年、「物の値段」のインフレ率が低下しているのは、昨年のインフレ率が高かったためであり、その恩恵が剥落してくると、米国インフレ率の低下は下げ渋り、あるいは再加速する可能性もありえます。その場合には、株式ショート取引が必要かもしれません。
4 min read