ドラッケンミラー氏:すでに景気後退が始まっている可能性もある
ソロスのポンド売りの裏の立役者であったりと、伝説のマクロトレーダーであるドラッケンミラー氏のSohn2023のインタビューから、何回かに分けて内容をお届けしていきたいと思います。
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FEDの歴史上最悪の失策が資産バブルを引き起こした
まず、ドラッケンミラー氏ほどの伝説のトレーダーでも、現在の状況は、過去で最も難しい局面だとしています。
45年間、経済予測をしなければいけない仕事をしてきたが、今はどう考えても一番難しい時期だ。巨大な金融緩和と急激な変化があった。新型コロナが色々と状況を変えた。新型コロナから脱出したモメンタムは本物か偽物か、持続的かそうでないか。それからウクライナの戦争があり、中国の経済再開がある。だから、今はそれほど経済予測に自信がない。
チューダー・ジョーンズ氏:債務上限問題後の株価ラリーを経て、3Qに景気後退へ
1987年の株価大暴落「ブラックマンデー」を予測したり、2020年前半からのビットコイン投資を成功させたりと、著名なグローバルマクロ投資家として知られるポール・チューダー・ジョーンズ氏がCNBCに出演していたため、今回はその発言内容をお伝えします。
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短期的には米国株は上昇余地がある
まず、ポール・チューダー・ジョーンズ氏は、短期的には米国株には上昇余地があるとしています。
我々は債務上限問題に対する恐怖があるため、その問題が去れば、株式は少し上昇するだろうし、債券は少し下がるだろう。なぜならリスクプレミアムが無くなるからだ。
米国小売売上高は前年比マイナスに迫る水準で景気後退を示唆
5月16日に発表された小売売上高は前年比+1.6%で、前年比マイナスに向かう勢いを見せました。過去には、小売売上高の前年比がマイナス入りする前後で景気後退が見られているため、いよいよ米国の景気後退は迫っているようにも見えます。
一方で、景気後退はある程度まで債券市場に織り込まれてしまっているため、今後は他のリターンの源泉を探してく必要もあるでしょう。
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アメリカの小売売上高は前年比マイナス水準に迫る
5月16日に発表された最新の小売売上高は前年比+1.6%でした。
この調子でいくと、早ければ第二四半期、遅くとも第三四半期には前年比でマイナスに陥るように思われます。
ドラッケンミラー氏:AI関連のNVDIAやMicrosoft株を購入
アメリカでは、大きな金額を動かしている投資家は四半期に一度、そのポジションを開示する必要があります。今回は世界的なグローバルマクロ投資家であるドラッケンミラー氏のポジションを見ていきたいと思います。
なお、ドラッケンミラー氏の経済の見立てについては、以下のニュースレターで紹介していますので、あわせてご覧ください。
* ドラッケンミラー氏:今はリスクを取るタイミングではない
2023年1QはAI関連銘柄に積極投資
ドラッケンミラー氏は、2023年1QはNVDIAとMicrosoftを買い増して、AI関連銘柄に積極投資していました。彼はネットでは株式ポジションはほぼ0であると発言しているため、同時に他の株式をショートしているものと思われます。
ショートポジションは開示対象ではないので、具体的な銘柄を見ることはできませんが、彼が経済がハードランディングするという見方をしていることからも、NYダウやラッセル2000などの景気に敏感な指数や個別銘柄をショートしているのではないかと考えられます。
目先の投資戦略を再整理する
本日は、少し早いですが6月以降の投資戦略について考えたいと思います。
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3月〜5月相場のふり返り
まず、まだ5月は終わっていませんが、3月〜5月の相場をふり返っておきましょう。
本ニュースレターでは、2月末に米国10年国債金利が4%近くなったことから、米国債の買い増しを行ったことをお伝えしました。
* 米国長期金利は4%近い水準、米国債の買い増しを開始
今回、米国長期金利が4%近い水準に達したということで、債券の買い増しを開始しました。
米国CPI:アメリカのインフレ率は4%台で横ばいへ
2023年4月の米国消費者物価指数は前年比+4.9%で、コンセンサスの+5.0%を下回ったものの、インフレが下げ渋りを見せていることが分かりました。
引き続き、FEDは高金利を維持して、債券市場は景気後退を予想しているという状態が続くでしょう。
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消費者物価指数は前年比+4.9%で横ばいへ
2023年4月の消費者物価指数(CPI)は前年比+
ガンドラック氏:FEDの予想する年末インフレ率3%は実現できず、インフレは高止まりする
引き続き、FOMC後のガンドラック氏のCNBCインタビューの内容をお送りしたいと思います。
* ガンドラック氏:投資家は景気後退に備えて米国債を買うべき
インフレは簡単に収まらない
まず、ガンドラック氏は、この先インフレ率が順調に減速することはないと指摘しています。
パウエル議長が「インフレーションは以前考えていたいたほど早く減速しないかもしれない」と言ったのは興味深かった。覚えているだろうか、(FEDの予想する)ドットプロットは年末にインフレ率が3%程度に下がると予想していた。私にはそれが実現するとは思えない。そして、(会見では)パウエル議長もその予想にもはや自信を持っていないように聞こえた。
これはガンドラック氏が以前から指摘していることで、
4月の米国雇用は強く、高金利の維持が必要
少し遅くなりましたが、2023年5月5日に発表された米国雇用統計では、まだ雇用が強いことが示されました。
前回の3月雇用統計がほっと一息つける内容だったとすると、今回はまた「やはりインフレは油断ならない」と感じさせる内容となっています。
* 無難な3月米雇用統計:失業率の上昇は見られず、賃金インフレは順調に減速
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予想を大きく上回った4月の米国雇用統計
まず、失業率は3.4%でした。前回の3.5%から0.1ポイント低下しました。
ガンドラック氏:投資家は景気後退に備えて米国債を買うべき
先日のFOMCを受けて、CNBCの番組に出演したガンドラック氏は投資家は景気後退に備えて米国債を買うべきだという意見を述べました。
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FEDは白紙の態度を示した
今回のFEDの感想を聞かれたガンドラック氏は、以下のように回答しました。
とても柔軟な態度を示した。債券市場は、そうしたFEDが次回のFOMCの見通しを示さないという態度を予想していた。それは債券市場が価格に織り込んできたことと全く一致している。
FEDはインフレを抑えるために、インフレ率よりも高い水準にFF金利をなんとか持ってきました。あとはこれを維持して様子を見てみようということで、この先については、現時点では何も作戦があるわけではないということです。
これは、以下のニュースレターにも書いた通りです。
* 5月FOMCでは0.25%の利上げを実施、
レイ・ダリオ氏:信用収縮による債券売りが金利上昇かハイパーインフレを招く
レイ・ダリオ氏がModern Wisdom 620の動画に出演していたので、その中からポイントをお伝えします。
レイ・ダリオ氏の経済見通しは、たびたび紹介してきており、今回も内容としては変わりませんが、少し丁寧に解説されているため、参考になれば幸いです。
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多くの企業がバランスシートを毀損している
そもそもシリコンバレー銀行で何があったかは、過去に以下のニュースレターでも解説していますが、改めてレイ・ダリオ氏の言葉も読んでおきましょう。
* シリコンバレー銀行が経営破綻、米国債金利は低下へ
レイ・