下げ渋りをみせた米国PPIと3.9%に達した米国長期金利
2月16日に発表された米国の生産者物価指数(PPI)は、前年比+6.0%で、予想の+5.4%を0.6ポイントも上回りました。前月のPPIが+6.2%であったため、かろうじてインフレ率は低下していますが、予想よりも下げ渋りをみせました。
インフレの長期化が意識される結果となった米国PPIを受けて、米国長期金利は3.
個別株投資で超過リターンを得るには、自分が「指名買い」しているものを考える
普段はマクロ投資について書いていますが、ちょうどマクロ経済環境について書くことがないため、今回は少し趣向を変えて、個別株投資について書きます。
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個別株投資で超過リターンを得られるのはなぜか
個別株投資で超過リターンを得るのであれば、どうしてインデックスに勝てるのかという点について、しっかりとした理屈が必要でしょう。そうでなければ、ただのギャンブルに過ぎないからです。
個別株投資において、インデックス投資を上回るパフォーマンスを出しうる理屈は、トレーディングを除くと、基本的には以下の2つだと思います。
1. ミスプライスされている可能性が高いから
個別株、特に中小型株においては、きちんと多くの投資家が日々ウォッチして適正なプライスをつけているわけではありませんから、
アメリカの消費者物価指数は1月も順調に低下したが、今後に注目
米国消費者物価指数(CPI)が発表されました。
内容は、予想の前年比+6.2%に対して+6.4%と強く出ましたが、前月の+6.5%からは順調に低下しました。米国のインフレが順調に減速を続けるのか、下げ渋りや再加速が始まるのかについては、次回以降を見ていくことになります。
米国長期金利は3.7%
植田和男教授による日銀新体制は金融政策の正常化を進める
日銀の黒田総裁の後任として、植田和男教授を起用する意向を岸田総理が固めました。植田教授は基本に忠実な金融政策を実行すると考えられ、日本国内のインフレが続く状況においては、金融政策の正常化を進めることとなるでしょう。
そのため、マイナス金利政策やイールドカーブコントロールによって損失を被ってきた国内銀行株に投資妙味がある状況は、市場が金融政策の正常化を織り込むまで、しばらく続くと思います。
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植田和男教授は経済学者で、すべては経済指標次第
岸田総理は、経済学者の植田和男教授を次期日銀総裁に起用する意向を固めました。こうしたことは、水面化での調整もある程度行われているでしょうから、不祥事等がなければ植田和男教授が順当に次期日銀総裁となるものと思われます。
さて、植田教授は今回の発表を受けて、現在の金融緩和について聞かれたインタビューで、
輸入インフレは一段落も、日本国政府は国内のインフレを加速させたい模様
先週の金曜日に日本の国内企業物価指数と輸出入物価指数が発表されました。
輸出入物価指数は、円安トレンドの反転と連動してピークを超えて下落に転じており、輸入インフレは一段落するでしょう。一方、国内企業物価指数については、前年比+9.5%という高水準が続いており、まだまだ予断を許さない状況です。
最終的には、これらのインフレがどこまで消費者物価や賃金に反映されてくるか、さらにそれに応じて国内金利がどこまで上昇するか、が投資家にとっては重要です。奇しくも日本国政府は国内のインフレを加速させたいようであり、そうした価格転嫁や賃金、金利の上昇というのは、まさにこれからのテーマだといえるでしょう。
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目先はインフレの長期化を意識した金利上昇リスク、長期では景気後退リスクに備える
最近は、米国の経済状況の展開が目まぐるしいため、本ニュースレターにおいても、言っていることが変わったり、一貫性に欠けてしまっている部分もあるかと思います。
これは実際に経済環境の移り変わりがあることなので、仕方のないことでもありますが、やはり少し遠くを見て、しっかりとした考えを持ってトレードをするのが理想です。
そこで、今回は、直近の経済状況や市場の反応を振り返りつつ、今後のシナリオを改めて整理しておきたいと思います。
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昨年後半から低下を続けた米国インフレ率
まず、こちらは何度も書いていますが、昨年の7月をピークに米国のインフレ率は低下を続けています。
こうしたインフレ率の低下を折り込むかたちで、米国債の金利が低下してきたのが、
東京都の物価指数は前年比+4.3%で、日本のインフレは加速中
しばらく米国の話題が多かったため、日本については書いてきませんでしたが、銀行株のロングポジションは継続保有しているため、日本の状況もウォッチしておきたいと思います。
以前も書いたように、銀行は日本の長期金利が上昇すると儲かるため、銀行株のロングポジションを継続するかの判断にあたっては、日本の長期金利の展望が重要です。そして、長期金利に影響を与えるのが日本の物価、つまりインフレです。インフレが続くのであれば長期金利はいずれ上昇するし、インフレが収まるのであれば長期金利はそれ以上、上昇する必要がないからです。
* 日銀政策決定会合は長期金利を0.5%に維持も、金融政策はインフレ率次第
直近、日本の物価に関する指標を確認すると、
レイ・ダリオ氏:現金はゴミではなくなった
有名ヘッジファンドのブリッジ・ウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏は、2月2日にCNBCのインタビューに答えて、「現金はゴミではなくなった」との見解を示しました。
レイ・ダリオ氏は、新型コロナ禍以降「現金はゴミだ(Cash is trash)」と述べてきましたが、FEDが昨年大胆な利上げを行い、実質金利がプラスに転じたことを受けての意見変更です。
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「現金はゴミ」の真意
ガンドラック氏:FEDの予想する失業率4.6%は、確実に景気後退を保証してしまう
債券王として知られるガンドラック氏は、年初のラウンドテーブルにおいて、FEDが予想する2023年末の失業率4.6%は12ヶ月移動平均を大幅に超えており、景気後退入りを確実にすると述べました。景気後退によって金利が下がればインフレ率は下げ止まり、金融緩和が再開されればインフレの第二波が予想されます。一方、FEDが徹底的にインフレを抑え込む場合、景気後退は激しいものとなるでしょう。
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失業率が12ヶ月移動平均を超えると、景気後退は確実に保証される
1月6日に公開された12月雇用統計では、失業率が3.5%でした。
1月に入って公開されている足元の雇用統計や実質GDPの数字は、2022年第4四半期(
景気後退が今年の後半以降であれば、インフレ対策で株式ショート取引が必要か
直近、アメリカのインフレ率は低下しています。特に、エネルギーや住宅価格などの「物の値段」が下落を続けています。一方で、雇用市場は非常に強く、人件費が主なコストとなる「サービスの値段」は上昇を続けています。
今年、「物の値段」のインフレ率が低下しているのは、昨年のインフレ率が高かったためであり、その恩恵が剥落してくると、米国インフレ率の低下は下げ渋り、あるいは再加速する可能性もありえます。その場合には、株式ショート取引が必要かもしれません。