日本のインフレ加速を示した12月消費者物価指数(CPI)と金融緩和を続ける日銀
1月20日に発表された日本の12月消費者物価指数(CPI)は、市場コンセンサス通りの前年比+4.0%でした。これは前回の11月消費者物価指数の前年比+3.8%から0.2ポイントの増加となり、日本のインフレが加速していることが確認されました。
一方、日銀は先日の政策決定会合で長期金利の変動許容幅を±0.5%に据え置き、引き続き、金融緩和を継続する旨を発表しています。
フロンティア諸国株を利確して、景気後退トレンドに備える
これまでポートフォリオに10%ほど組み込んでいたフロンティア諸国の株ですが、昨日のニュースレターにも書いた通り、一度利益確定をして景気後退トレンドに備えることにしました(※1月19日に売却済み)。フロンティア諸国の株を売却することで得たキャッシュについては、一旦そのまま置いておき、必要に応じてポジションを立てることに活用する予定です。
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景気後退を意識しはじめた米国株式市場
今回、フロンティア諸国の株式を一旦売却しようと考えた一番の理由は、昨日の記事に書いたように、米国株式市場が景気後退を意識し始めたためです。
* インフレ減速を示した12月米国PPIと景気後退を意識し始めた株式市場
個別企業の決算も追って整理していきたいと思いますが、新たにマイクロソフトのレイオフ等も報じられており、マーケットが景気後退を意識する流れになる可能性は上がってきたと言えるでしょう。このとき、フロンティア諸国の株式には2つの影響が考えられます。
インフレ減速を示した12月米国PPIと景気後退を意識し始めた株式市場
1月18日夜に発表された米国生産者物価指数(PPI)は、前年比+6.2%でした。これは市場予想の前年比+6.8%を0.6ポイント下回る数値で、アメリカのインフレが市場予想よりも急速に減速していることを示唆しています。
これを受けて、米国長期金利も3.3%台へと低下しました。これまで金利が低下すると米国債と一緒に上昇していた米国株ですが、18日夜は米国債は上昇、米国株は下落と明暗が分かれました。
ガンドラック氏:ハイイールド債のデフォルト率は今後上昇する
ガンドラック氏は、恒例となった年初のオンラインセミナーにおいて、ハイイールド債のデフォルト率は今後上昇するだろうとコメントしました。
その背景として、「ハイイールド債のデフォルト率」と連動する指標として「銀行の貸出審査基準の厳格化率」をあげた上で、後者が上昇していることから、前者が上昇するのは時間の問題であるとしています。
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ハイイールド債のデフォルト率は、銀行の貸出審査基準の厳格化率と連動する
ガンドラック氏がオンラインセミナーで示したのは、以下のグラフです。
青線が米国銀行の貸出審査基準の厳格化率、つまり「お金を貸す基準を厳しくした銀行の比率」を示しています。それに対して、
日銀政策決定会合は長期金利を0.5%に維持も、金融政策はインフレ率次第
1月18日(水)に日銀政策決定会合が行われました。前回の日銀政策決定会合において長期金利の変動許容幅が0.25%から0.50%に拡大されるというサプライズがあったため、注目が集まる中での開催となりましたが、今回は金融政策の変更はなく、長期金利の変動許容幅も0.50%に維持されました。
長期金利の上昇を促していた債券市場
通常、中央銀行がコントロールするのは超短期金利だけですが、日銀はイールドカーブコントロール(以下、YCC)と呼ばれる非伝統的な金融政策を採用しており、
国内インフレの加速を予感させるファーストリテイリングの第1四半期決算
ユニクロやジーユーを経営するファーストリテイリングは、給与を最大で40%アップし、初任給も25.5万円から30万円に18%アップすることを先日発表しました。
そんなファーストリテイリングですが、1月12日に決算(2023年8月期・第1四半期)があり、国内ユニクロ事業において増収減益が発表されました。売上を伸ばしながらも減益となった背景には国内のインフレがあります。
今回は、日本のインフレという観点から、ファーストリテイリングの決算を見ていきたいと思います。
増収減益となったファーストリテイリングの第1四半期決算
ファーストリテイリングの第1四半期決算は、以下の通りでした。
* 売上:
ガンドラック氏:FEDが何と言おうとFF金利は5%を超えない
新債券王として知られるジェフリー・ガンドラック氏は、FF金利の行方を知りたければ、FED(連邦準備制度)の動向ではなく債券市場を見るべきだという従来の意見を改めて述べました。
そこで、今回はガンドラック氏の発言の真意を探るとともに、FF金利の行方について考えます。
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FEDはFF金利をコントロールする存在ではなくなった
「アメリカの中央銀行である連邦準備制度は、FF金利をコントロールする存在ではない」というと、「そんな馬鹿な話はあるまい」と反応する人が多いのではないでしょうか。FEDは、物価の安定と失業率の低下を目的として、FF金利を管理するために存在しているからです。
しかし、
2022年12月の米国消費者物価指数はインフレの順調な減速を示した
2023年1月12日に発表された、2022年12月の米国消費者物価指数(CPI)は、アメリカのインフレが順調に減速していることを示しました。
* 全アイテムのCPI:
コンセンサス通りの前年比+6.5%で、前回の前年比+7.1%から0.6ポイント低下しました
* 食品・エネルギーを除いたコアCPI:
コンセンサス通りの前年比+5.7%
加速する日本のインフレ、東京の消費者物価指数は前年比+4.0%へ
今回は、2023年1月発表(2022年12月分)の東京都の消費者物価指数について書きます。
最初に結論だけ書いておくと、前年比+4.0%であり、東京都に限った数値ではありますが、インフレが加速していることが確認されました。
僕は、以前に書いたとおり、日本では今年インフレが加速すると考えています。
* 2023年の投資テーマを考える:米国の景気減速、日本のインフレ
* インフレターゲットを達成した日本の金融緩和出口戦略を考える
今回は、その想定に沿う結果が出てきたことになります。
ハワード・マークス氏:金利が下がり続けた過去40年が終わり、パラダイムシフトが訪れる
資産運用会社オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が書く「Memo」は、マークス氏の深い考察を知ることができるため投資家の間で人気の読み物のひとつです。
多くの株式投資家が尊敬するバークシャーハザウェイ社のウォーレン・バフェット氏やチャーリー・マンガー氏が読んでいるという話も有名です。
今回は、そんなマークス氏が昨年12月に公開した「Sea Change」と題された最新のMemoから要点を紹介したいと思います。
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3つめのパラダイムシフト
ハワード氏の主張は、目下の金融市場で起こっていることは、彼が経験する3つめの「Sea