東京都の物価指数は前年比+4.3%で、日本のインフレは加速中
しばらく米国の話題が多かったため、日本については書いてきませんでしたが、銀行株のロングポジションは継続保有しているため、日本の状況もウォッチしておきたいと思います。
以前も書いたように、銀行は日本の長期金利が上昇すると儲かるため、銀行株のロングポジションを継続するかの判断にあたっては、日本の長期金利の展望が重要です。そして、長期金利に影響を与えるのが日本の物価、つまりインフレです。インフレが続くのであれば長期金利はいずれ上昇するし、インフレが収まるのであれば長期金利はそれ以上、上昇する必要がないからです。
* 日銀政策決定会合は長期金利を0.5%に維持も、金融政策はインフレ率次第
直近、日本の物価に関する指標を確認すると、
ガンドラック氏:日銀の金融政策は80階から飛び降るようなもので、まだ地面にぶつかっていないだけ
債券王ジェフリー・ガンドラック氏の率いるDoubleLine Capitalの年初ラウンドテーブルにおいて、日銀の金融政策が話題に上がっていました。「景気サイクルを一周まるごと低金利のまま耐えてしまうかもしれない」と興味深く評価する論者もいましたが、ガンドラック氏は「80階から飛び降りて、まだ地面にぶつかっていないだけだ」と酷評しました。
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日銀のYCC(イールドカーブコントロール)はフィクション
ガンドラック氏の意見を紹介する前に、同ラウンドテーブル参加者であるジム・ビアンコ氏が興味深い指摘をしていたので、まずはこちらを紹介したいと思います。
日本はイールドカーブコントロールを実施していない。日本が実施しているのは、
日本のインフレ加速を示した12月消費者物価指数(CPI)と金融緩和を続ける日銀
1月20日に発表された日本の12月消費者物価指数(CPI)は、市場コンセンサス通りの前年比+4.0%でした。これは前回の11月消費者物価指数の前年比+3.8%から0.2ポイントの増加となり、日本のインフレが加速していることが確認されました。
一方、日銀は先日の政策決定会合で長期金利の変動許容幅を±0.5%に据え置き、引き続き、金融緩和を継続する旨を発表しています。
日銀政策決定会合は長期金利を0.5%に維持も、金融政策はインフレ率次第
1月18日(水)に日銀政策決定会合が行われました。前回の日銀政策決定会合において長期金利の変動許容幅が0.25%から0.50%に拡大されるというサプライズがあったため、注目が集まる中での開催となりましたが、今回は金融政策の変更はなく、長期金利の変動許容幅も0.50%に維持されました。
長期金利の上昇を促していた債券市場
通常、中央銀行がコントロールするのは超短期金利だけですが、日銀はイールドカーブコントロール(以下、YCC)と呼ばれる非伝統的な金融政策を採用しており、
国内インフレの加速を予感させるファーストリテイリングの第1四半期決算
ユニクロやジーユーを経営するファーストリテイリングは、給与を最大で40%アップし、初任給も25.5万円から30万円に18%アップすることを先日発表しました。
そんなファーストリテイリングですが、1月12日に決算(2023年8月期・第1四半期)があり、国内ユニクロ事業において増収減益が発表されました。売上を伸ばしながらも減益となった背景には国内のインフレがあります。
今回は、日本のインフレという観点から、ファーストリテイリングの決算を見ていきたいと思います。
増収減益となったファーストリテイリングの第1四半期決算
ファーストリテイリングの第1四半期決算は、以下の通りでした。
* 売上:
加速する日本のインフレ、東京の消費者物価指数は前年比+4.0%へ
今回は、2023年1月発表(2022年12月分)の東京都の消費者物価指数について書きます。
最初に結論だけ書いておくと、前年比+4.0%であり、東京都に限った数値ではありますが、インフレが加速していることが確認されました。
僕は、以前に書いたとおり、日本では今年インフレが加速すると考えています。
* 2023年の投資テーマを考える:米国の景気減速、日本のインフレ
* インフレターゲットを達成した日本の金融緩和出口戦略を考える
今回は、その想定に沿う結果が出てきたことになります。